還座式執行

阿弥陀堂前卓北側外陣寄に仮安置される宗祖親鸞聖人御真影 還座式お練りの様子 御堂衆に担がれる宗祖御真影 御影堂に集まった人々
9月30日、午後12時30分、真宗大谷派宗務総長の安原晃師の挨拶に始まり、勤行 正信偈草四句目下 同朋奉賛式 弥陀成仏のこのかたは 次第6首 願以此功徳 が勤められた後に宗祖の御真影を興しに安置した状態で写真の如く、御堂衆によって両堂を結ぶ渡り廊下を一歩一歩、歩が進められて多くの僧侶やご門徒、門信徒が見守る中、御影堂への還座が果たされた。
 しばしの間、金障子が閉じられて、御真影の還座が整えられた後に金障子が開かれて、宗祖が御影堂に約6年ぶりに里帰りをされた初めの勤行が営まれた。つづいて、大谷大学名誉教授の広瀬杲師の「浄土にて待つ」という講題の記念法話聴聞。数多くのマスコミも駆けつけて、6年前の動座式以上の人の集まりを見ることとなった。
 しかし、参詣人の数に惑わされてはいけないことを500年以上も前に、蓮如上人がたしなめていらっしゃることを思い出した。
  
 一宗の繁昌と申すは、人の多くあつまり、威の大きなる事にてはなく候。一人なりとも、人の信を取が、一宗の繁昌に候。
然ば、専修正行の繁盛は、遺弟の念力より成ずと、あそばされをかれ候。         『蓮如上人御一代記聞書』より

と申された。
 たとえ一人であっても信心をいただくことが、浄土真宗が真に栄えるということなのだと。