お寺の鐘

 今朝、いつもより早い時間に目が覚めた。午前5時。布団の中にいて朝5時だということがわかった。なぜかって?それは、親父が毎朝、うちの梵鐘を朝5時についているからだ。
 布団の中で聞く梵鐘の音色。実に荘厳な感じを抱く。一打、一打、その時によって鐘を撞く強さが異なると、あるいは風向きによって音の響き方が変わってくるのです。
 ところが、この鐘の音がうるさいと言う人がいるのだ。市役所を通じて匿名で「苦情」をお寺にまで言ってくる。市役所も宗教行事については介入できないため、我々は「苦情を言ってきた人の言われることをお伝えするだけです」と言う。
 「怒れてきた私は、匿名でものを言う人のことなど聞けぬ」と伝えておいて下さいと言った。お寺は、町内にたのまれて防火水槽を境内地内に配備することを許したり、電柱を立てさせてほしいと要望があればその声に応えてきている。その他にもたくさん、市や町内の要望を聞き入れてきている。まさに運命共同体ではないか。今、こうした考えは受け入れられないものか。まことに寂しいかぎりだ。
 梵鐘の音から「諸行無常の響き」を聞き取ってほしいものだが、頭が痛いことだ。