ランドセルの中

12月25日と言えばクリスマス。バブル期に比べて少し騒がしさも減少したか。私が小学生の時は勉強の出来も悪く、母親に叱られた思い出がある。
 試験で点数の悪かった答案用紙をランドセルの中に隠しておいて、12月24日に担任の先生から手渡された通知表を母親に見せたら母親はびっくりして「どうしてこんなに悪いのかね、何かの間違いじゃないのかね」と言い放った。その後、様子のおかしい私を見て「お母さんに何か隠していることないかね」と言われた。まだ幼い私は泣き出した覚えがある。当時、学習塾を営んでいた父親がこの一部始終を見ていて、母親に対し「まぁ、そんなに叱るな。息子も親を喜ばせようと思ってやったことだろう」と。厳格な父がこの時は以外にも怒らなかったのである。私は、子どもなりに「お父さん、どうして叱らないのだろう」と思ったものだった。今になって父親の教えが、教育がようやくわかるようになった。叱る母親と許す父親、人間が育てられていく上でどちらもとても大切なことである。最近、このバランスが崩れていないでしょうか。