修正会にそなえて

 1月1日の元日の晨朝を修正会と呼びます。真宗寺院では三が日ほど修正会の荘厳をします。修正会のお荘厳として特筆すべきことは、寺院に収蔵されている歴代のご門首の御影、並びに寺院における歴代の法名をすべて奉懸することです。更に、その御影前には折敷(おしき)とよばれる道具(三宝に脚の部分を取り除いた形のもの)に白紙を横に敷き、その上に上下とも同じ大きさの鏡餅を重ねて飾り付けます。
 お内仏であればご本尊に一対、お脇掛に一具ずつお備えします。また、鏡餅の上に葉付きの橙をのせることを正式としますが、お鏡餅の大きさに相応した蜜柑・キンカンなどを用いても差し支えないでしょう。
 寺院もお内仏も、卓のある尊前はすべて打敷を掛けます。住職としてはこれらの荘厳の準備をしているときに、ふと「坊さんとして少しは勤めをはたしているかな」と思う瞬間です。