25日座談会…その中身とは

 一般企業から宗教法人の活動とあり方、現代人の宗教観などを鋭く分析した資料に興味深い内容のものがいくつかあったので以下に列挙する。
1.公益法人制度改革について…公益認定をとれない組織は一般社団財団として存続するか、解散するかのどちらかである。現在のところ、宗教法人が解散したとき、その財産は寺族に帰属するのだが、個人に帰属する場合、公益法人として認定されるかという問題が残る。
2.親鸞聖人の教えは700年、750年と変わっていないが、集団としてのあり方は変化してきている。幕府、朝廷も政府も…。大谷派が残っているということは時代に即応してきたからである。今後のあり方について考えなければ大谷派教団はなくなってしまうのでは…。
3.組織について失敗が起きなければよいという考えが蔓延している。長期的な構想を立てて横串を通したような組織の編成が必要である。意外に宗教法人は組織自体が危うい。
4.組織の内部統制について厳しい人を外部監査としておくとよい。実際に外部から調査が入ったとき、きっちりと説明責任を果たすことができる。また、宗教法人は情報の整理はできていても情報の管理はできていないことが多い。整理と管理とでは違う。情報が一件何十円から何百円の時代である。情報の漏洩対策を講じる必要がある。

  宗教法人を取り巻く環境変化と検討課題
1.朝日新聞記事から
  社会学者が提案 脱「お坊さん任せ」
  「何はぶいてもお経は自分で」
  寺院は檀家の衆の精神生活は無関係
  法名・戒名は自分たちで
  経費はかからないものにする。お布施不要。記念品不要。料理は一名5000円以  内とする
2.女性セブン記事から
  我が家の近くの裏家業。その(1)「コンビニボーズ」の道
  100円寿司が寿司屋に負けていないように、派遣僧侶だって重宝されています
  僧侶派遣業は「早い……通学1年で度牒」「安い……法要は2万円〜」「うま     い……声のいい人、そろえてます」
  厳しい修行は不要
  僧侶は聖職者じゃない
3.朝日新聞記事から
  少子高齢化社会はこうなる!!
  2013年ごろ…葬儀で法名(戒名)不要論者が増え、俗名による葬儀が全体の            20%をこえる
  2015年ごろ…岸壁に接岸した葬儀会館と火葬場の兼用船が登場
  2016年ごろ…無宗教葬儀が増え、仏式葬儀が60%程度に減少
  2020年ごろ…生前に葬儀の手配をすませる人が全体の30%をしめるようになる
  2025年ごろ…納骨堂利用者が30%に、墓地は40%に
  2026年ごろ…宗教法人のM&Aが始まり、宗教法人数が減少
  2040年ごろ…国内の年間死亡者数が166万人とピークをむかえる(葬儀産業が            倍になる根拠)

◎世間の風潮や現代人の価値観、一般企業から宗教活動への参入等にどのように対応していくのか、宗教法人の運営を任されている住職・寺族・門徒総代・世話方などの問題意識を掘り下げて、地域教化センターと末寺が一体となる方途を探る動きをセンタースタッフを中心に進めていきたいものである。
 一般企業に勤務されている方は、シビアな、厳しい眼で宗教法人の実態と活動の様子を鋭く捉えている。