おくる

 早朝、悲しい知らせが舞い込んだ。ご門徒が亡くなられたのである。98歳であった。3年間ほど自宅にて療養中で、寝だこができてしまい、ご家族の方々も介護に大変ご苦労をされていたようでした。それでもお家の方は清々しいお顔をしていらっしゃいました。
 ここまでのことから察するに、遺されたものにとっては ある意味で〝やれやれ〟といった安堵感があるように思われがちですが、とんでもないことだ。ご家族の方々は悲しみに満ちたお顔をされ、しめやかに葬儀式をつとめたいというお気持ちを語っておられた。70歳を超えた息子さんのお顔から、親を送るさみしさということがこちらにまで伝わってきた。