喪主のすがたから

通夜や葬儀の場でよく見られる風景に、会葬者に対して返礼をする喪主のすがたがある。
 これは大変な考え違いである。葬祭業者の職員も会葬者への返礼を行なわなくてはならないかのように案内をしている。
 ところが、通夜や葬儀の場では、縁深き人、身近な人の死に接して生・老・病・死のいのちを生きている現実に向き合うことが求められているのであって、決して社会通念上の挨拶を交わす場ではないのである。僧侶としてやるべきことがたくさんあることを思った。考え方によってはやり甲斐があるのかも…。