彼岸を前に

9月20日は彼岸の入りである。彼岸とは季節を表わす語として知られているが、仏教用語そのものであり、私たちの先輩は太陽が真西に沈んでゆく光景を見ては「浄土」、仏さまの国を想起して合掌する姿もしばしば見受けられたと伝え聞いている。
 昨今、現代人は四六時中、仕事や家事などに追われて仏徳を慶ぶという心根が枯渇してしまっている。渇ききった心に栄養を与えてくれる、それは彼の岸(仏さまの国)からのおはたらきに他ならない。