変わってきたな…

 昨日、ご引上に出かけたときのこと。今のことに、お参りに伺ったお宅では耐震補強の工事が行なわれていた。長い材木をチェンソーのようなもので切る音がするかと思ったら、金槌を打ち付ける音。釘を打ち付ける音。要するに酷くやかましい。大工仕事に音が出ないはずがない、当然のことである。私は、そんな騒々しい物音がする中でご引上のお勤めを行なった。勤めながら、腹立たしい気持ちにもなった。なぜなら、以前は寺方が家に入っていく姿を見かけた職人は、しばらくの間仕事を休めて、寺方の読経が終わるまで、あるいは寺方が帰っていく姿を見られるまで、手を休めていた仕事を始めないということに出会うことがしばしばありました。
 今日では、「お参り」を「僧侶の仕事」くらいにしか思っていないのであろう。何せ、仏間の造り方も知らない大工さんもいらっしゃるのですからね…。
 昨今、ご法事の時、お通夜の時、葬儀の時さえも私語が多くなってきていますからね。大の「大人」がそろいも揃ってね。「けしからん」と思うことがよくあります。喪主、施主の立場に立って仏事の場に身を置く我々に問われていることを真剣に考えなければいけませんね。